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LIVE at CafeOmmori 2005.2.26


Date: Feb.26th,2005
At: Live&Cafe Ommori猫

Songs Parformed:
サザンウインド
夢の途中
Ocean Blue
あなたに逢いたい
リコール・ミー
マイ・エンジェル
THE☆ROCKSTAR
光の扉
Sing

(Bonus Stage)
リコール・ミー
光の扉
Sing



「……あれ? この曲聴いたことあるな……」
「あ♪き♪ら♪ め〜な〜いでぇ〜♪……これ、たしか……」
「ら♪ら♪ら♪ せ〜い〜かつぅ〜♪ えっと、そうそう!」
「わ♪か♪さ♪ 生活ぅ〜♪ あー! ハイハイハイぃ!!」

――そんな会話が隣の席から聞こえてきた。
今は耳にする機会がやや少ないはずなのだが、
このサウンドロゴはすっかり定着しているようだ――


久々となる御影真秀のソロ・アコースティックライブが2月26日、CafeOmmoriで行われた。

マスター 御守孝明氏のライブでもあり、ほぼ満員御礼の中ライブはスタート。
19:00。
単騎ステージに立つのは、オベーション一本を手にした御影真秀。
ファンにとっては長らく待ちわびた光景。

ゆっくりと聞こえてきたフレーズは、「サザンウィンド」。
「――最近ね、(声域が)不思議なことに上がったよ」
彼自身が言うように、のびやかなハイトーンがこだまする。
続く「夢の途中」、「Ocean Blue」でも徐々に声がなめらかになってゆく。


御影真秀の歌詞は、常に誰にでも分かる言葉が用いられている。
「伝わらないものは、歌わない」という、一貫した姿勢がある。
彼の歌は淡々とした日常の中に豊かな情感が広がっていることを、再確認させてくれる。ギター1本で歌われることで、それら一つ一つの言葉があるべき姿で舞いながら、メロディーをバトンタッチしてゆく。

「あなたに逢いたい」、「リコール・ミー」、「マイエンジェル」といったバラード・ナンバーが続いてゆく。
「CafeOmmriで最初に歌った思い出の曲」とのクレジットで歌われた「リコール・ミー」では、サビのコーラス・パートまで一人で自然に歌いつなぐ。ほぼ掛け合いのコーラスなので、ややブレスの難易度は高くなる。カラオケでデュエット・ソングを一人で歌った経験のある人なら、想像できるだろう。しかし彼には大した問題ではないようで、"Kiss me...♪"直後のハーモニカへサラリとつないでゆく。

 御影真秀の声は単に声量の大きさ、ハイトーンの美しさだけでなく、中小声量時・ロングトーン時の声圧の保持と自在な声量移行に特質がある。このライブでは、そのタレントが存分に生かされていた。
「THE☆ROCKSTAR」、「光の扉」の2曲では、観客のコーラス付で歌う楽しいシーンもあった。

繰り返しになるが、ギター1本の状態で歌詞は丸裸にされる。もし仮に「光の扉」が『使い捨ての』CMソングとしてデザインされた歌なら、こういった歌い方では歌詞のボロが出て、ややもするとCMのパロディにさえなりかねないだろう。
――「光の扉」は、違う。
逆に言葉の一つ一つが、輝きを増していた。
この歌は、本当に美しい心でていねいに紡がれた歌だった。

この曲はリリースから2年以上経つが、今なおケータイ着メロ・ジャンル別ベストテンに時おりランクインしている。その理由のひとつが、このライブで垣間見れたように思う。
(もちろん冒頭の会話(←もちろん、実話)のように、サウンドロゴが「聴く人への応援歌」の中に完全に埋め込まれているスタイルは、CMソングとしても絶佳と言えるだろう。 CMソングライターならばぜひお手本としたい作品だ。)


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余談だが、間奏で、なぜかたびたび白玉(全/半音符)のアナログシンセ・ストリングスが低音で伴奏されているように聴こえた。もちろん雑音ではなく「楽音」として美しく響いていたのだ。 「フット・シンセ? いや、MIDIギターか?」 ……アコースティック・ライブだから、そんなはずはない。不思議に思って後で聴いてみたのだが、エフェクターはディメンジョン・コーラスとアナログディレイしか使ってなかったし、彼自身もまったく意識していなかったとのこと。 多分PAとエフェクターのセッティング、そして聴取位置の妙で、たまたま低音弦の成分がうまく再合成したのだろう。あるいは「オベーション」という定評あるギターと、プレイヤー御影真秀のなせるマジック……なのだろうか?
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続く「猫」元ギター&ボーカル、 御守孝明氏のギターも凄まじかった。
"マシンガン"の異名を持つフィンガーピッキングは、まぎれもなくアコースティック・ギター演奏の臨界点に達していた。
後にギタリストの 法田勇虫氏・ しげちゃん氏も飛び入り参加、最後にはエレアコ3本でのジャム・セッションが縦横無尽に繰り広げられるという、実に贅沢なライブだった。


また、御守孝明氏のステージ間に急遽行われた御影真秀のボーナス・ステージでは、「リコールミー」「光の扉」「Sing」の3曲が観客のリクエストに応えて歌われた。実は本ステージよりも完成度の高い歌唱だったように思う。御影フリークには嬉しいエキストラ・ステージだった。



「今の気持ちを歌います――」

最後に歌われた新曲「Sing」は、まさに圧巻の絶唱だった。ギターから手を放ち、マイクを両手で包み込んで歌うその姿は、御影真秀の歌に対する姿勢そのものだった。
Instant Review:A.Matsu!(特別寄稿)

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